せっかく無垢板から切り出した木目のきれいな切り文字です。
ペンキで「塗りつぶして木目を消してしまってはもったいない」と考えています。
それで基本的には、木目を消してしまう着色の注文はお請けしておりません。
木材は、何も塗装しないと、紫外線・雨・風・空気中のゴミなどによって汚れ、劣化し、腐ってしまいます。
カビが生えて汚くなることもあります。
それで特に外部でお使いの場合、保護塗装されることをお勧めしています。
木の切文字屋で行っている塗装の種類は?
木材の塗装は大きく分けて、(1)木に浸透する浸透性の塗装(2)木の表面に塗膜を作るコーティングつまり造膜塗装があります。
(1)浸透性保護塗装(オイル塗装・木肌美人塗装)
□ 木の内部に浸透するため塗膜を作らずに撥水処理し、木に水分が浸透するのを防ぎ保護します。
□ 撥水性や防カビ性は備えますが、造膜塗装に比べると耐水性、耐久性は劣ります。
□ 表面に塗膜を作らないので、触った際の木の質感が残り自然な上がりです。
□ 外部での使用の場合、塗膜を造らないため雨による乾湿の繰り替えしに弱く、造膜タイプと比較した場合、短期間でのメンテナンスの繰り返しが必要になります。ただ塗膜がないためメンテナンスの際に劣化塗膜を剥離する作業が必要なく、重ね塗りでメンテンスができます。
主に使用している浸透性の保護塗料は
● リボス社の自然塗料 「カルデット」「タヤエクステリア」
● 国産の ESHA 「クラフトオイル」
● 外部用の木材保護塗料として実績のある「キシラデコール」
● 無塗装のように仕上がる 「木肌美人」
(2)造膜型保護塗装(ウレタン塗装など)
□ 木材表面に塗膜を造るため耐水性、耐久性ともに浸透性の塗装より強くなります。
□ 浸透性塗装と比較してメンテナンスサイクルは長いですが、塗膜が木材の伸縮に対応できずワレ・ハガレなどの塗膜劣化を起こすことがあります。その場合、劣化塗膜の剥離作業が必要になり、メンテナンスが難しくなります。
使用する造膜塗料は高耐久ウレタン塗料
● ウッドスキンコート
メンテナンスについて
浸透性の保護塗装を施していても、時の経過とともにとれてきますので、特に屋外で使用される場合、長くきれいな状態で木製切文字を使っていただくために、メンテナンスが必要です。
メンテナンスの方法は、刷毛やウエスで切文字や看板の汚れやホコリを落とし、次に上から保護塗料を塗り、少し時間を置いてから浸透仕切らなかった塗料を拭き取るという工程です。
造膜塗装は耐久性は高いですが、木は生きており膨張したり収縮したりしていますので、そのわずかな膨張・収縮の動きによって、少しずつ塗膜が剥がれたりひび割れたりしてしまいます。(これがモルタルやサイディングへの塗装と違う、木への造膜塗装の難しさです。)
特に日差しの厳しい場所、雨ざらしの場所に置かれた場合、どうしても耐久性は低くなります。
メンテナンスのことを考えると、切文字屋がおすすめするのは、浸透性の保護塗装です。
可能な限り、雨風の当たらないまた紫外線の当たりにくい場所での使用をおすすめします。
樹種の選択、塗装についても、どうぞご相談下さい